競馬写真の撮り方①では機材編として、競馬写真に必要なカメラやレンズの選び方についてご説明させていただきました。
今回は場所編として、競馬場でのルール・マナー、パドックやスタンドでの場所の確保について進めていきます。

競馬場でのルールやマナーは?

基本的に観戦エリアでの敷物(新聞紙・ブルーシート等)のみでの場所取りは禁止です。しかし、現状GI開催日など敷物を敷いてそのまま放置している方が目立ちます。混雑時にはJRA係員が強制的に撤去しにくる場合もあるためご注意ください。

また、踏み台、三脚を使っての撮影も禁止です。
使っている人を見かけますが、混雑時など大変危険ですし他の方の観戦の妨げになるのでお止めください。

撮影時に絶対に守っていただきたいのがフラッシュ機能のオフです。馬が驚き、公正なレースが施行できなくなる恐れがありますので必ずご確認ください。

その他ルール・マナーについては下記JRAサイトでご確認ください。

JRAからのお願い・ご注意
http://jra.jp/news/informations/

どのような競馬写真が撮りたいか

あなたはパドック写真、レース写真どちらを撮りたいでしょうか?

GI以外のレースでは観客数次第で両方撮ることも可能ですが、GI開催日は観客数がかなり増えるため、良い場所の確保、移動が厳しいです。
そのため、パドック写真を撮るか、レース写真を撮るか、どちらかに絞ることをお勧めします。

一眼レフカメラをお持ちではなく、コンパクトデジカメスマホで写真を撮りたい場合はパドック写真がおすすめです。

パドックでは馬が間近で見れ、ゆっくりと周回しているため、特に連射性能や望遠機能も必要とせず、気軽に撮影ができます。

撮影場所の確保

撮りたい写真が決まれば、その写真が撮れる場所の確保です。
パドック写真、レース写真別にご説明します。

パドック写真の撮影場所の確保

パドックはどの競馬場も馬の全身がよく見えるよう周辺が階段状になっているため、前の人の頭で遮られない場所であればどこからでも撮影が可能です。
ただし、GI出走馬のパドックでは人でごった返し、馬が出てきてからでは前に行くのが困難になります。
そのためメインの2レース程前から撮りたい場所で待機しておきましょう。

レース写真の撮影場所の確保

レース写真は、場所取り良い写真を撮れるかどうかの重要なポイントになります。

ラチ沿い最前列

馬の背景をぼかしやすく、立体的な写真が撮れます。

宝塚記念(2013年) 阪神競馬場 ゴールドシップ
焦点距離200mm F2.8

観戦席(スタンドの上部)

背景にコースが写るため立体感は薄れますが、各馬の攻防が見やすくなります。
馬をアップで撮りたい場合は焦点距離が少し長めのレンズが必要です。

天皇賞春(2010年) 京都競馬場 ジャガーメイル
焦点距離250mm F5.6

競馬場に何時に着けばよいか

大半のレース(GIも含む)午前中に競馬場に着けば十分かと思います。

ただ、ダービー、ジャパンカップ、有馬記念は入場者数が10万人を超えるため1Rが始まってからでは最前列は厳しいです。開門前から並ぶ覚悟が必要で す。参考に2013年ダービー(勝ち馬キズナ)の時は、朝の6時頃から並び、開門は7:20でしたが、その時間でなんとかターフビジョン前の最前列を確保 できました。有馬記念は、中山競馬場自体スタンドが狭いため、良い場所を確保するには徹夜が必須です。時期的にもかなり冷え込むため。温かい寝袋を用意し てください。

関西では阪神競馬場の宝塚記念(入場者数約7万人)が一番場所の確保が厳しいかと思います。良い場所を確保したい場合は開門前から並ぶことをおすすめします。ただし、開門後でも4コーナー付近であれば残っていることがあるのでそちらを狙ってみてください。2012年の宝塚記念はその場所から撮りましたが、コーナーから直線へ向かう迫力のある写真が撮れました。

4コーナー付近

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宝塚記念(2012年) 阪神競馬場 オルフェーヴル
焦点距離280mm F4.0

競馬場別おすすめ撮影ポイント

最前列といっても、競馬場によってはラチが被って撮影が困難な場合もあります。
ということで、私の経験をもとにおすすめ撮影ポイントをご紹介します。

阪神競馬場

阪神競馬場はターフビジョン前~4コーナーまでのラチ沿い最前列が馬の姿全身を写すことができおすすめです。ゴール板前~ターフビジョン前はラチの位置が 高いため馬の上半身しか写すことができません。またスタンドも低いため俯瞰的な写真は撮影しづらいかと思います。焦点距離は200mm~300mm程度で 十分です。

京都競馬場

京都競馬場は平たんなコースでラチの位置が高いため、最前列での撮影は馬の上半身しか写すことができません。そのためスタンドを少し上って最初の通路あ たりがおすすめです。このあたりですと背景もぼかしやすいですし、焦点距離は300mm~400mm程度あればよいかと思います。

東京競馬場

東京競馬場はゴール前からメインターフビジョン前のラチ沿い最前列が撮影しやすいです。それより4コーナーよりはラチが被るためスタンドを少し上っての 撮影が良いでしょう。東京競馬場はコース幅が広いため、他の競馬場よりは少し長めの焦点距離が望ましいです。300mm以上は欲しいところ。また、4コー ナーよりの芝生エリアも、コーナーから直線にかけての迫力のある攻防を収めることができます。

中山競馬場

坂の頂上~4コーナーのラチ沿い最前列が馬の全身を写すことができます。それ以外はラチの位置が高く馬の上半身しか写すことができません。ゴール板前の 写真を撮りたい場合はスタンドを少し上ったあたりがよいかと思います。焦点距離はラチ沿いからだと200mm~300mm、スタンドからだと 300mm~400mm程度が目安です。

 

※焦点距離はAPS-Cサイズの一眼レフカメラに着用する際の目安となります。ですので、フルサイズのカメラに装着する場合は×1.6倍の焦点距離でお考えください。

これ以外の競馬場については私が撮影したことがないため割愛させていただきます。また出向いた時には追記していきたいと思います。

場所を確保した後は?

競馬場でのルール・マナーの項でも書いたように敷物のみでの場所取りは禁止されています。複数人で行かれる場合は交代で場所を確保するなどしましょう。またアウトドア用の折りたたみ椅子などを用意しておけばメインレースまでの待ち時間など楽に過ごせます。

まとめ

今回撮影場所について書いてきましたが、好きな競馬写真の構図は人それぞれ違うかと思います。もし「馬空」に掲載している画像と同じような写真を撮りたい 場合は上記のおすすめ撮影ポイントを参考にしてみてください。焦点距離については、例えばあえて広角で撮ってみたり、魚眼レンズで撮ってみたりしても面白いかもしれません。

いろいろ試行錯誤をして自分だけのオリジナル競馬写真を目指してみてください。

 

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競馬写真向けのおすすめレンズレビュー記事を作成いたしました。
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